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1 はじめに
14週間続いたMITが提供する、無料オンラインコース、MITx(エレクトロニクス)が終了しました。私個人としては、最後の期末試験で撃沈してしまい、コースはパスしたものの、期待したような最終成績ではありませんでした(泣)
この他にも終了したコースは:
このエントリーは、これから増えていくであろうこういった無料のオンラインコースを実際に受けてみた感想や長所・短所などをまとめてみたいと思います。特定の内容ではなく、複数受講して感じた全体的な考察になっています。
この他にも終了したコースは:
- スタンフォード:人工知能(基礎となる概念のコース。ほとんど数学・確率統計)
- Udacity:人工知能プログラミング(実際のプログラム手法)
- スタンフォード:機械学習(人口知能の分野の一つ。機械が自ら考え情報を分析するようにプログラム)
このエントリーは、これから増えていくであろうこういった無料のオンラインコースを実際に受けてみた感想や長所・短所などをまとめてみたいと思います。特定の内容ではなく、複数受講して感じた全体的な考察になっています。
2 無料オンラインコースの長所
2.1 無料である
言うまでもなくこれが最大の長所でしょう。「良い教育 = 高いコスト」と言われて久しいですが、その常識を覆す世の中になってきたようです。
インターネットは様々なもののコストを下げてきました。特に、情報の伝達に関してはそのコストは限りなくゼロに近づき、誰でも無料で情報を得ることができる世の中です。それは同時にその情報の信憑さに関しては自己責任となってしまい、正しい情報かどうかを判断できる人とそうでない人との間では「リテラシー問題」へと発展してしまうこともあります。しかし、こういったオンラインコースは、既に学問的業績で世界的に知名度の高い大学が提供してくれます。MIT、スタンフォード、プリンストンなどで席を置く教授達の授業であることは、その内容にかなりの信頼性が置けます(ハーバードも近々参加予定)。そのため、信憑性や得られる知識の実践性に関しては議論の余地がないと感じました。
しかし続く短所の項で述べるように、「無料である」ということは短所にも成り得ると思います。
しかし続く短所の項で述べるように、「無料である」ということは短所にも成り得ると思います。
2.2 世界屈指の授業が受けられる
提供する側にとっては所属の大学の名誉に関ることですから、無料だからといって手を抜くわけにわいかないでしょう。宿題あり、試験ありと、内容はとても濃いもので、自分も授業についていくために外部資料・書籍を色々探しながら必死で努力しました。
良質かつ実践的な知識を身に付けるのには努力を要するのは当然のこと。その動機付けを行なうことこそ、教育機関、ならびに教員の質が問われるところでしょう(単なる受講生ながら、生意気な分析をお許しください…汗)。そういった意味で、これらのコースは(少くとも自分が受講したものは全て)、受講生への動機付けはすばらしいものでした。
特に、上記の「Udacity:人工知能」のコースは、先日話題となった self-driving car を開発した、Sebastian Thrun本人が教えています。つまり、世界一の実績を持つ人物です。こんな人の授業を無料で誰でも受けられる…世界は大きく変わったな、と感じずにはいられません。
これは余談ですが、自分が米国に留学中には、ほとんど全ての授業で教員、内容、教科書などの生徒による評価をしました。内容によってはその教員は降格や授業から外されるなどの処置を受けるようです(実際にそうなった人を知っている)。授業の内容を充実させようとする米国の競争社会の厳しさでしょうか。ですので、こういった有名大学で教員の地位を維持するのは、本当に大変なことであり、その質は当然良くなるのでしょう。
特に、上記の「Udacity:人工知能」のコースは、先日話題となった self-driving car を開発した、Sebastian Thrun本人が教えています。つまり、世界一の実績を持つ人物です。こんな人の授業を無料で誰でも受けられる…世界は大きく変わったな、と感じずにはいられません。
これは余談ですが、自分が米国に留学中には、ほとんど全ての授業で教員、内容、教科書などの生徒による評価をしました。内容によってはその教員は降格や授業から外されるなどの処置を受けるようです(実際にそうなった人を知っている)。授業の内容を充実させようとする米国の競争社会の厳しさでしょうか。ですので、こういった有名大学で教員の地位を維持するのは、本当に大変なことであり、その質は当然良くなるのでしょう。
2.3 自分の都合の良いときに都合の良い場所で受講できる
通常学校に通うということは、一日の決った時間帯を完全に拘束されるということでした。しかしオンラインコースではそんなことはありません。講義の動画を見たい日に、見たい時間に再生することができます。しかもたいていの場合、講義動画のスピードを変えることができ、私自身、常に1.5倍速で聞いていたため、相当の時間短縮につながりました。
宿題も期限以内に提出すればいいので、何日もかけて少しづつやっていくことができます。(直前にやろうとすると、内容の難しさから、提出は間に合わないと思われますので、宿題は計画的にw)
同時に物理的に特定の場所に拘束されることがありません。自宅であろうと、カフェであろうと、自分の好きな場所で受講できます。そうなると、仕事の合間に講義を聞くなんてことも可能でしょう。
良質な教育を受けるためには、授業料だけでなく、その施設・機関の近辺への滞在費も必要になります。滞在費用も節約でき、引越しをする必要がなくなったというのは、「無料」であることの意味はもっと大きくなるでしょう。
良質な教育を受けるためには、授業料だけでなく、その施設・機関の近辺への滞在費も必要になります。滞在費用も節約でき、引越しをする必要がなくなったというのは、「無料」であることの意味はもっと大きくなるでしょう。
2.4 ノートを取る必要がない
今考えてみると、学校教育ではノートをとる作業がとても無駄だったなと思います。先生は同じ内容を他のクラスでも教え、その度に黒板に同じ内容を書いていく…先生の作業・生産効率もさることながら、それを印刷して生徒に配ってしまえば、他のことに時間を費せるはず。そもそもノートをとると言っても、生産的なノートのとりかたをしている学生はほとんどいるわけもなく、黒板の丸写しをするだけでしょう。そのノートを後で見返して役に立ったと感じた経験があまりありません(私、字もきたないので、自分で自分の字が読めなかったり…泣)。
オンラインコースではノートをとる必要は基本的にありません。すべての講義動画が残るので、何度でも見返すことが可能。しかも、講義で使われたスライドなどはPDF形式などでダウンロード可能です。コースによっては講義の内容を文字に起したテキストファイルが用意されており、パソコンの検索機能を使って素早く必要な情報に辿りつくこともできます。
もちろん、これだけ充実した内容に加えて自分だけのノートを取れば、生産性は更に上ることは間違いないでしょう。例えば、「教科書××ページを参照…」、「××Webページが役に立つ」などです。私は、コース以外の関連Webページをブックマークする形でノートとしていました。
オンラインコースではノートをとる必要は基本的にありません。すべての講義動画が残るので、何度でも見返すことが可能。しかも、講義で使われたスライドなどはPDF形式などでダウンロード可能です。コースによっては講義の内容を文字に起したテキストファイルが用意されており、パソコンの検索機能を使って素早く必要な情報に辿りつくこともできます。
もちろん、これだけ充実した内容に加えて自分だけのノートを取れば、生産性は更に上ることは間違いないでしょう。例えば、「教科書××ページを参照…」、「××Webページが役に立つ」などです。私は、コース以外の関連Webページをブックマークする形でノートとしていました。
2.5 協力する力を身につけられる
過去のエントリーでも説明しましたが、授業内容に関する質問は基本的に、同じコースを受講する生徒同士でします。そこには御互いに向上しようという精神がなくては成り立たないでしょう。
近年、日本の教育現場で批判の対象となるものの一つが、「競争」という概念でしょう。運動会の徒競走などで、順位を決めずにみんな同時にゴールさせる、というニュースには驚かされました。それは「競争」という概念を理解していないのではないかと思います。 基本的に競争に勝つには2つの方法があると思います。
これらのオンラインコースでは、質問フォーラムでは同じ生徒同士が協力しあい、理解できない人にヒントを与えたりしていました。同時に、クラスの内容を越えたプログラムなどを発表したりする人も多くいました。 他の生徒の知識の向上に「協力」し、同時により良いものを生産することで「競争」する、そんな世界が広がっていたのを感じました。日本の教育現場にもこういった概念が広がる日が来るんでしょうか…
近年、日本の教育現場で批判の対象となるものの一つが、「競争」という概念でしょう。運動会の徒競走などで、順位を決めずにみんな同時にゴールさせる、というニュースには驚かされました。それは「競争」という概念を理解していないのではないかと思います。 基本的に競争に勝つには2つの方法があると思います。
- 他の人より実力を身に付ける
- 他の人を蹴落す
これらのオンラインコースでは、質問フォーラムでは同じ生徒同士が協力しあい、理解できない人にヒントを与えたりしていました。同時に、クラスの内容を越えたプログラムなどを発表したりする人も多くいました。 他の生徒の知識の向上に「協力」し、同時により良いものを生産することで「競争」する、そんな世界が広がっていたのを感じました。日本の教育現場にもこういった概念が広がる日が来るんでしょうか…
2.6 試験はオープンソース
MITxでは中間試験と期末試験の二つがありました。他のコースでも最低一つは大きな試験があり、上記の「協力」をすることを制限する形で行われます。他の生徒との協力以外はどんなソースを見ても可能で、当然講義の動画、スライドもそのまま見ることができます(生徒同士で協力を頑なに拒否し合うことも、御互いの向上につながる「協力」と言えるかもしれないが…)。
これがなにを意味するかというと、
同時に、試験内容は応用問題が主となります。そのためMITxの期末試験はとても難しく、私は撃沈したわけですから…
しかし、このオープンソースという長所は同時に大きな短所になると、私は考えています。それは続く短所の項で説明しますが、これから無料の教育材料をコーディネートしたいと考えている方々には特に、注意・注目してほしいところです。
これがなにを意味するかというと、
- 試験前に特定の勉強時間を設ける必要がない
- 応用問題が主となる
同時に、試験内容は応用問題が主となります。そのためMITxの期末試験はとても難しく、私は撃沈したわけですから…
しかし、このオープンソースという長所は同時に大きな短所になると、私は考えています。それは続く短所の項で説明しますが、これから無料の教育材料をコーディネートしたいと考えている方々には特に、注意・注目してほしいところです。
2.7 宿題・試験の成績というものに意味がない
私の受講したコースは全て、宿題・試験は何度でも再提出可能でした(MITxのみ、試験は問題ごとに再提出は3回まで)。つまり、正解を得るまでやりなおしができます。そこには成績の概念がなくなるのでは、と予感できます。
教育の目的は生徒に知識やスキルを身に付けさせること。その学校やコース内の成績で競争させることではありません。競争して良い成績をとることには一定の意味はあるでしょうが、試験の答案が返され、その点数に愕然となりつつも、間違えた箇所により敏感になり、知識は向上した…そんな経験は誰でもあるのではないでしょうか。 最終的に向上に繋がりさえすれば、その過程での成績など大した問題ではありません。宿題・試験を提出し、×を食らえば、持ち帰りやりなおす。それを繰り返して自らを向上させていく、そんな機会をこれらのコースでは与えてもらえました。過去に、学校の試験の度に落ち込んでいた自分はなんだったんだろう、と感じます。
教育の目的は生徒に知識やスキルを身に付けさせること。その学校やコース内の成績で競争させることではありません。競争して良い成績をとることには一定の意味はあるでしょうが、試験の答案が返され、その点数に愕然となりつつも、間違えた箇所により敏感になり、知識は向上した…そんな経験は誰でもあるのではないでしょうか。 最終的に向上に繋がりさえすれば、その過程での成績など大した問題ではありません。宿題・試験を提出し、×を食らえば、持ち帰りやりなおす。それを繰り返して自らを向上させていく、そんな機会をこれらのコースでは与えてもらえました。過去に、学校の試験の度に落ち込んでいた自分はなんだったんだろう、と感じます。
3 無料オンラインコースの短所
次は短所についてです。各コースには当然のことながら、前提となる知識(prerequisites)が要求されますが、ここではそれを問題にはしません。あくまで全体的に、一般的に見た場合の短所です。
3.1 無料である
長所で上げれらていながら、短所にも上ることに違和感を抱くかもしれませんが、無料であることは大きな短所にも成り得ると考えられます。それは 有料であることはモチベーション付けの理由になる からです。
「お金を払っているのだから、絶対にやりとげなければ…」というモチベーションは、最良とは言い難いかもしれませんが、健全であり、知識・スキル向上のためには有益となることは間違いありません。無料であるが故、途中で投げ出しても誰も文句を言いません。自分も痛い目にあうことはありません。ドロップアウトする誘惑が、常につきまとうことになってしまう。
最後までやりとげるモチベーションをいかに創出するか、そこまではこれら無料のコースは教えてはくれません。外部の要素が必要になるでしょう。
私はどうやって最後までやったかと言うと、そういう人間だからですw 自慢するつもりはありませんが、周囲からも「君は自制心が強いね」と言われます。しかし、コースを3分の2くらいまでこなせば、後は惰性で行けるのではないかとも感じていますが…
「お金を払っているのだから、絶対にやりとげなければ…」というモチベーションは、最良とは言い難いかもしれませんが、健全であり、知識・スキル向上のためには有益となることは間違いありません。無料であるが故、途中で投げ出しても誰も文句を言いません。自分も痛い目にあうことはありません。ドロップアウトする誘惑が、常につきまとうことになってしまう。
最後までやりとげるモチベーションをいかに創出するか、そこまではこれら無料のコースは教えてはくれません。外部の要素が必要になるでしょう。
私はどうやって最後までやったかと言うと、そういう人間だからですw 自慢するつもりはありませんが、周囲からも「君は自制心が強いね」と言われます。しかし、コースを3分の2くらいまでこなせば、後は惰性で行けるのではないかとも感じていますが…
3.2 英語力は必須
各コースのほとんどは言語的障害をなくす必要性をかかげ、その手段を提供していますが、基本的英語力は必須と言っていいと思います。講義動画は文字に起してあり、わからない単語は動画を止めて調べればよい。様々な言語に翻訳され、字幕表示されますが、それらはボランティアの人達が提供してるため、講義がアップされてから翻訳が提供されるまで数日の時間差があり、それを待っているのは生産的とは言えないかもしれません。
同時に、質問フォーラムのほとんどは英語で、他の言語でも質問は可能ですが、回答が付く可能性は格段に下るでしょう。
英語で、しかも動画スピードを上げても理解に支障がでない、くらいが生産的な受講の仕方ではないでしょうか。
これは日本の未来にも大きく影響してきます。
本来ならば金銭的・地理的理由で高等教育を受けられない人達が、ある日を境に突然世界屈指の教育を受けられるようになった、ということです。それには世界的に普及しつつあるインターネットと英語力のみが必要です。平均的に英語のできない日本は…世界に置いてきぼりを食らうのではないか…と。
同時に、質問フォーラムのほとんどは英語で、他の言語でも質問は可能ですが、回答が付く可能性は格段に下るでしょう。
英語で、しかも動画スピードを上げても理解に支障がでない、くらいが生産的な受講の仕方ではないでしょうか。
これは日本の未来にも大きく影響してきます。
本来ならば金銭的・地理的理由で高等教育を受けられない人達が、ある日を境に突然世界屈指の教育を受けられるようになった、ということです。それには世界的に普及しつつあるインターネットと英語力のみが必要です。平均的に英語のできない日本は…世界に置いてきぼりを食らうのではないか…と。
3.3 孤独である
質問フォーラムやSNSで交流はあるものの、基本的に一人で受講している感は否めません。はっきり言います。
孤独です。
ぼっちに慣れている私は平気ですが…w
孤独です。
ぼっちに慣れている私は平気ですが…w
3.4 試験はオープンソース
上記で述べたように試験はオープンソースであるということは長所であると同時に、短所でもあります。これはインターネットの普及によって、誰でもどんな情報を入手できることにも言えることです。一言で言うと、
情報をいつでも入手できることは、教育の過程から(外国語学習以外は)暗記というものに意味をなくしてしまいます。しかし、自分の頭で考えることをしなくなる人達が増える可能性は大いにあるでしょう。もちろん、インターネット上に無限に存在する情報が全て正しいわけでもなく、それらを有益なものと判断するかは我々エンドユーザーに委ねられています。しかし、その力を持ち合わせているのは、平均を遥かに上まわった人達のみ。あくまで平均的な人達を基準に教育を考えていく必要があるわけで、そうするとオープンではなく、クローズドの試験にも一定の意味があるな、と感じました。
情報を得る力と、自分で考え創造する力…それらのバランスをどう構築していくか、これからの課題ではないかと思います。
- ほんの少し考えれば解決することでも、答えを外部ソースに探しに行ってしまう
情報をいつでも入手できることは、教育の過程から(外国語学習以外は)暗記というものに意味をなくしてしまいます。しかし、自分の頭で考えることをしなくなる人達が増える可能性は大いにあるでしょう。もちろん、インターネット上に無限に存在する情報が全て正しいわけでもなく、それらを有益なものと判断するかは我々エンドユーザーに委ねられています。しかし、その力を持ち合わせているのは、平均を遥かに上まわった人達のみ。あくまで平均的な人達を基準に教育を考えていく必要があるわけで、そうするとオープンではなく、クローズドの試験にも一定の意味があるな、と感じました。
情報を得る力と、自分で考え創造する力…それらのバランスをどう構築していくか、これからの課題ではないかと思います。
4 最後に:英語学習者へ
英語力がまだまだの方達はこういったコース受講に憧れているかもしれません。ですが、あえて言わせてもらうと、
憧れている暇があったら、とっとと受講してください
これらは無料です。途中でドロップアウトも可能です。宿題・試験を一切やらず、講義動画をひたすら聞いているだけでも大丈夫です。アメリカの大学の授業がどれだけのスピードで、どれだけ内容が濃いかを知る機会でもありますし、英語学習の向上につながるのは間違いありません。
内容は理系のものが大半ですが、文系の授業も増えてきています。失敗しても痛くも痒くもないなら、挑戦すべきです。これも、英語学習の教材と思って…
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内容は理系のものが大半ですが、文系の授業も増えてきています。失敗しても痛くも痒くもないなら、挑戦すべきです。これも、英語学習の教材と思って…
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